アトピーの知識

--- アトピーと活性酸素 ---

アトピー性皮膚炎の特長と最近の傾向

アトピー性皮膚炎は1970年代までは小学校へ入学するまでに完治するものでした。近年、幼児から学童にかけての若年層に、成人に見られる肥厚苔癬化、結節性痒疹が出現しており、 最近の傾向として次ようなの特長があります
  • 患者数の激増
  • 症状の悪化
  • 高齢化
  • 大都市、工業都市の集中

アトピーを加速する活性酸素の過剰発生

活性酸素は細菌やウイルスから体を守る役目を果たし、本来人間にとって必要不可欠の存在です。 しかし、活性酸素が体内で増加しすぎると自分の体の組織をも攻撃するようになり、体内の脂質(コ レステロール等)と結合して過酸化脂質を形成します。
近年の活性酸素の過剰をもたらした正体には、オゾンホールから降り注ぐ紫外線をはじめ、放射線、医薬品、自動車の排気ガス、製鉄工場などの重油 から発生する窒素酸化物、塩素化合物、トリハロメタン、PCB、メチル水銀等があります。

アトピー性皮膚炎の原因

コレステロールや中性脂肪等は単体では人体に無害ですが、活性酸素は脂質と結びついて、過酸化脂質を形成します。過酸化脂質は細胞内部に浸透する性質があり、一旦付着すると容易に体外に排出されず、細胞を徐々に破壊します。アトピー性皮膚炎は過酸化脂質により皮膚(角層)の保湿機能が奪われ、バリア機能が低下して、ダニ、ハウスダスト、接触性刺激等に弱くなってしまいます。 この活性酸素が脂と結合して過酸化脂質を作り、アトピーの皮膚角質層の保湿機能を奪ってアトピーを悪化させる原因になっています。

活性酸素による蛋白変性の影響

患者の組織の蛋白に付着した過酸化脂質は、蛋白質の性質を変化させ(変性)、今までアレルギーを起こさなかった蛋白質を、アレルギーを起こす蛋白質(ペプタイド)に変えてしまいました。
その 結果、食事をはじめとするさまざまな蛋白質に対して、アトピー性皮膚炎患者が、アレルギーを起こすようになったと考えられています。過酸化脂質が体内の蛋白と反応して蛍光性の蛋白、即ちエイジドピグメントを作り、正常な蛋白質と異なる異常な蛋白を作りだすようになるわけです。
30年前は、アトピー患者が動物性脂肪を食ぺても全く問題はありませんでした。現代のように、動物性脂肪がアトピー性皮膚炎の悪化に直接関係するようになったのも、環境汚染による活性酸素の増産が原因と考えられています。1970年代から癌が増え、アトピー性皮膚炎が増加、重症化、高齢化してきたのは、環境汚染で増加した活性酸素のためです。

オゾン層の破壊による活性酸素量の増大

オゾン層は地球に到達する紫外線の量を適度に保つ役目をしていますが、近年、オゾンホールと言われるオゾン層の破壊によって、以前に比べて紫外線照射量が増えています。紫外線は、皮膚の表面での活性酸素を増産し、顔や首等露出部のアトピー性皮膚炎が増加したと考えられます。

重症化をたどるアトピー性皮膚炎、過酸化脂質値の異常

戦後、日本人の食生活は欧米化し、脂肪をたくさん摂取するようになりました。脂質の中でも、特に不飽和脂肪酸が増えています。不飽和脂肪酸は不安定な油で、酸化されやすい性質を持っています。大気汚染などによって、体内で活性酸素が大量に作られるようになったことで、体内の不飽和脂肪が酸化され、これがアトピー性皮膚炎が重症化してる原因になっています。
アトピー性皮膚炎の患者の血液中には不飽和脂肪酸が多く、過酸化脂質が体内に異常産生されていると考えられます。

白内障、網膜剥離の合併も過酸化脂質が原因

眼球内の奥の網膜は非常に不飽和脂肪酸の多い場所であるため、この部分で過酸化脂質が生産され、目のレンズの内側に付着すると、目が見えにくくなります。これが白内障です。また、眼底の網膜で過酸化脂質が大量に作 られると網膜を傷つけ網膜剥離が発生します。

アトピー患者のSOD値は低い

活性酸素が生体内に過剰に発生した場合、これを取り除くSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)という酵素があります。掃除屋という意味を表すスカペンジャーと呼ばれます。SODは体内防御に重要な酵素で、40才を境に減少し、、このことが老化や生活習慣病の増加に関与していると言われています。 アトピー患者は、このSOD値とその除去能力が弱い傾向にあります。

環境汚染と重症アトピー患者数は比例

石油化学工場、自動車工場、製鉄工場、排気ガス等と重症アトピー性皮膚炎は密接に関連しています。空気のきれいなところでは、アトピー症状が軽くなります。

遺伝と環境問題

アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎等は遺伝形式は不明ですが、遺伝要因が強いと考えられています。しかし、最近はアトピー患者が激増し、必ずしもアトピー体質の家族歴のない人がかなり増えています。

皮膚の保湿機能が低下

アトピー体質の人の特徴として、皮膚の角層の保湿機能が体質的に低下していることがあげられます。保湿機能の低下は、さらに過酸化脂質の増産し、これによりさらに皮膚の保湿機能を奪いという悪循環になっています。

14.精神的要因

食物アレルギーによってアトピーが悪化するのは、13歳未満の特に幼児期に多く見られます。しかし、13歳を越し成 人に近づくと食事で悪化するケースは激減し、精神的な原因でアトピー性皮膚炎が悪化すること が多くなります。寝不足、過労、ストレスが重なるとアトピー性皮膚炎が急速に悪化します。

アトピーにかかる4つの条件

アトピー性皮膚炎は、すでに言われているように、ダニやハウスダスト、食物アレルゲン等ののアレルギー的側面は否定できません。
しかし、近年のアトピーの激増、重症化、高齢化、都市化を考えると、患者個人に特有の原因(例えばアレ ルゲン)の究明で解決されるものではないと考えられます。アトピー性皮膚炎の発症は体質によるものですが、環境汚染のない時代には学童期の前に治癒していたことを考えると、 もっと普遍的に共通した原因の研究を行うことが重要だと思われます。

 

<アトピー体質の本質>

  1. 角層の保湿機能の低下(乾燥肌)
  2. 食事アレルギー(子どもの何割か)
  3. 体内の悪い脂が多い。また、必要な脂が少ない。
  4. 活性酸素を取り除くSODの力が弱い。

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